2006年7月1日

地域がん登録における情報の安全管理の対策現状調査(7施設)

調査機関:2006年7月~2007年2月 地域がん登録における情報の安全管理の対策現状調査(東北・関東・関西の7施設) 2005年、議員立法により成立した「がん対策基本法」 が4月から施行となり、日本のがん医療の進展に大きな期待が寄せられている。基本法の中では「がん医療に関する情報の収集提供体制の整備」が規定され、がん患者のがんの罹患その他の状況を把握し、分析するための取り組み支援に必要な施策として「がん登録」の体制整備が重要となる。 その一方、個人情報保護法の全面施行から2年が経つが、依然として「漏洩事故」のニュースが絶えない。昨年9月に実施された内閣府国民生活局の「個人情報保護に関する世論調査」によると、個人情報保護への関心度は、「関心がある」と答えた人の割合が73.5%にのぼっている。同時に「安全管理が十分でないため,自分の個人情報が漏れているのではないか」と不安を感じる人の割合も71.1%に及んでいる。このような現状から、個人情報の安全管理に対する国民意識の高まりが浮かび上がってくる。 こうした現状から、がんという最も機微な個人情報を扱うがん登録に国民の理解を得ることは、がん対策推進において非常に重要と言えるだろう。 また、がん情報は法的除外規定の理由から本人の同意なく収集されているが、センシティブ情報であるが故に、倫理上の課題を孕んでいる。登録に関わる事業者や行政には高度な管理を実現するための様々な工夫、また標準化の体制が求められるところである。 このような課題を念頭に、今回、登録現場の現状把握として「”個人情報保護”と”国民の理解を得ることができる” 安全管理体制」の観点で地域がん登録施設を視察を行いました。